あさひ整骨院
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「怒る」という感情を考えてみるその5

「怒る」という感情を考えてみるその5

「怒る」という感情を考えてみるその5

今回で最後になります
テーマは「怒り」とうまく付き合う方法について
書いていきます

 

怒りを上手に取り扱うポイントは

自分の心と体
つまりは「自分自身を大切にする」
ということに尽きます。
具体的にいくつかの方法をあげていきます。

 

「抑圧」の対策。自分の欲求を満たして、抑圧を解消

 

怒りを「抑圧」することで
怒りが長引いたり
下手な表現しかできなかったり
心身の不調が出たりといった
さまざまな弊害が出ることはすでに述べてきました。


抑圧はほとんど無意識に行われるため
まずは意識に上らせてあげる必要があります。


そのためには、自分の欲求や感情に気づく
そしてそれを満たしてあげる訓練が必要です。


それにはまず体の感覚を受け止め
体が求めていることをしていきます。


・体を感じて、欲求に気付く

今この瞬間自分のどちら側の足裏に
体重がより多くかかっているでしょうか?


座っているならば、どちらのお尻により重みが
かかっていると感じるでしょうか?


それは何パーセントずつの割合ですか?
左が54パーセント、右が46パーセントくらいでしょうか?


左右どちらの手がより温かいですか?寒いと感じますか?
それとも、暑い、もしくは頭と胴体と足は暖かく
手と首だけが冷えを感じているでしょうか?


鼻から吸った空気は、体のどこまで入ったでしょうか?


満腹が100パーセントだとしたら
今お腹は何パーセント満たされているでしょうか?


といった具合に
表面も内臓も含めた「今」の体の状態をモニタリングします。


正解はなく
「感じる」ということが大切なので
ひとまずは感じた状態を正解とします。


暑いから上着を一枚「脱ぎたい」
お腹が空いたから「食べたい」
疲れたから「横になりたい」など
体の感覚を感じることで欲求というものが出てきます。


逆に言えば
体の感覚がわからないと
体が求めていることや本当の自分の欲求に
気づくこともできないのです。


・体の欲求を満たす

体の感覚や欲求を感じ取れるようになったら
あとはその欲求を満たすだけです。


その瞬間に満たせないような場合は
「今自分はこうしたいのだな」と
じっくり受け止めてあげるだけで良いです。


さらに、しっくりこない場合は
「ほんとうにこれでいい?」と
自問自答してあげるのも良いでしょう。


これらのことを練習していけば
無意識に感情を押し込めて抑圧する
満たされない気持ちを食べ物で満たす
などということは徐々に減っていきます。

 


「体」の対策。自律神経を活性化して、怒りをうまく出す

 

「体」がつくる怒りのところでも述べましたが
怒りという感情と
「交感神経」は切っても切れない関係にあります。


そのため、交感神経をうまく使ってあげることが
怒りをうまく出す対策になります。


また、「副交感神経」をしっかり働かせることで
ストレスで疲弊した心身の回復力を高めることができます。


余裕がなく無駄にイライラしたり
いつもの悪いクセが出やすくなったり
怒りを出すエネルギーが足りなくなったり
ということを防ぎやすくします。


・交感神経
まずは、交感神経を意識的に使う練習です。
ポイントは、「声」「筋肉運動」「姿勢」です。


・大きな声を出す
できるだけ大きな声を出します。
カラオケで思い切り歌うでも
自宅で布団をかぶって叫ぶでも
何でも構いません。


怒鳴るとき
飛び上がるほど嬉しいときなど
大きな声を出したくなるときというのは
交感神経の働き時です。


・筋肉を動かす
できるだけ大きくたくさん体を動かします。
体を活動的な状態にするのが交感神経ですから
運動に応じて活性化します。


相手を殴りたいくらいに怒っているとき
不安でじっとしていられないときなど
体を動かしたくなるときも交感神経の働き時です。


・姿勢を安定させる
体の安定は心の安定につながります。


また、安定した良い姿勢というのは
適度に力が抜けていて
呼吸が自然に大きくできる姿勢でもあり
酸素というエネルギー源を絶えず供給できます。


姿勢の安定にいちばん重要なのは
足裏を地面にしっかりとつけることです。


これを「グラウンディング」と言います。


心身をより安定させることで
感情と自律神経の手綱を引きやすくなります。


・副交感神経
何事も行動するにはエネルギーが必要です。

怒りに気づくにも
何かしらの対策をするにも
外に出すにも多くのエネルギーを使います。


そのため、まずはしっかりとエネルギーを溜められる
回復できる体にしておくことが最優先です。
ポイントは「呼吸」と「脱力」です。


・深い呼吸をする
「腹式呼吸」には体をリラックスさせて
副交感神経を活性化させる効果があります。


お腹が上手に膨らんだりへこんだりしなくても
大きくゆっくり呼吸をすれば大丈夫です。


とくに息を「吐く」ときにリラックス効果が
期待できますので、ゆったりと少し長めに
吐くことを意識しましょう。

そうすれば
そのあとは自動的にたくさんの空気が
入ってきます。


・体の力を抜く
肩が上がっているなど
力の入っている場所が分かればそこを
わからなければ自分で抜く場所を
決めて脱力させます。


肩や腕、足がやりやすいでしょう。


一度わざと力を入れ
そこから一気に緩めます。


肩ならば一度ぐっとすくませてから落とす
腕ならば手をぐっと握って緩める
数センチ持ち上げて落とすなどします。


できるようであれば
呼吸に合わせ、息を吐くときに全身または一部の力を
抜くというのも効果的です。


ため息をつくときに力が抜けるのを
イメージするとやりやすいかもしれません。


体がリラックスモードになり
副交感神経が働きやすくなります。

 

・自律神経のバランスが大切
自律神経をバランスよく柔軟に働かせることができると
ストレス耐性も高まり
ホルモン調節にもエネルギーを回せるようになります。


また、「抑圧」するのに使われた筋肉の緊張を
取り除くためにも、自律神経の働きが重要です。


怒りと上手に付き合うには
自律神経を活性化させることが必要なのです。

 


「頭」の対策。周りに動じない、安定した自分をつくる

 

考え方のクセは
ストレスが多いときなど
自分に余裕のないときにより強く出てしまう傾向があります。


また、怒りを抑え込んだりしたり
ルール違反を許せなかったりというパターンは
交感神経を使うのが苦手で怒れない
「許す」という副交感神経的な思考が
できないといった特徴があります。


いずれも、自律神経が深く関わってきます。
そのため、まずは「体」の対策
自律神経を活性化させることが重要なのです。


ここでは、頭(思考)の対策として
「境界線を引く」ということを述べます。


・自分と周りの間に「境界線」を引く

自分は自分、人は人。
ここまでは自分の問題、ここからは相手の問題。


何も言わずに全てわかってもらえる
こちらの期待通りに相手が動いてくれる
ということは普通ではありません。


なぜなら自分と相手は別の人間だからです。


人と比較しすぎる
問題の切り分けができていない
相手に期待しすぎる


このような思考は
自分と周りの境界線を曖昧にし
不満や怒りを生み出しやすいものです。


まずは、このような考え方のクセがないかどうか振り返り
自分と周りの「境界線」を意識してみましょう。


なお、前に述べた「グラウンディング」
(足裏を地面にしっかりつけて安定させる)の姿勢は
自分の心身が安定するので
周りとの境界線というものを意識しやすくなります。


「伝え方」の対策。「アサーション」で怒りを上手に伝える


アサーションとは
自分も相手も尊重しながら
しっかりと自分の気持ちや言いたいことを
わかりやすく相手に伝えるための
コミュニケーション手法です。


元になっている言葉の
「アサーティブネス(Assertiveness)」には
積極性、自己表現、意見表明といった
日本語訳があてられます。


自分の言葉で怒りや不満を上手に表現することで
相手にわかってもらえる
要求が 伝わりやすくなるなどという効果があります。


気持ちを受け止めてもらったことを実感できれば
怒りはそのほとんどの役目を終えるでしょう。

 

ここでは、アサーションのポイントのみあげていきます。


・主語を使って気持ちを伝える
「私は○○な気持ちになりました」
「は○○したい(してほしい)です」
など、「私は」という主語を置き、気持ちや要望を述べる。


控えめな「AC」タイプや
穏便を好む「副交感神経」タイプには
苦手なことかもしれません。


主語をきちんと据えることで
より「自分」の気持ちや欲求を大切にすることにつながり
自己尊重感を高めることにもなります。

 

DESC法で事実を伝える

DESCの内訳は下記通りで
各要素を入れながら話をすることが重要です。


Describe(描写する)
相手と確実に共有できる「事実」のみを
できる限り客観的・具体的に述べます。
推測や主観が入らないようにします。


Express(表現する)またはExplain(説明する)
自分の気持ちや考えを
主語を明確にしながら表現・説明します。


Suggest(提案する)またはSpecify(具体的に挙げる)
相手に、できるだけ具体的な行動を依頼・提案します。


Choose(選択する)
直前の依頼や提案に対する選択です。


相手には選択する権利がありますので
その選択(YES・NOなど)に応じて、
こちらはどのように反応するかを
あらかじめ準備しておくと良いでしょう。
〔例〕 約束の時間に連絡なしで遅れてきた友人にイライラ。


事実の共有
「今日の待ち合わせは11時だったよね?」


気持ちを表現
(主語あり)
「連絡がないと、何かあったのかなとか心配になるし、
 久々に会うのを楽しみにしてきたのに、私はすごく残念」


具体的な依頼
「遅れるなら、わかった時点で連絡してほしいよ」


選択に応じて応答
(わかった)「ありがとう」
(ごめん、バタバタしててさ・・・)
「次から気をつけてね」


このような伝え方であれば
感情と理性のバランスもとれ
相手を非難せず、自他ともに尊重し
対等なコミュニケーションが生まれます。


もちろん状況が好転すればこの上ないですが
まずは伝えること、表現することに意義があります。

 

まとめ

 

・怒りの材料を減らすこと
・怒りに気づけるようになること
・怒りをうまく表現できるようになること


これらができて初めて
「自分の怒りをうまく取り扱えている」と言えるでしょう。


怒りに限らず
自分の感情を無視せず大切にすることは
自分自身を大切にすることと同じことです。


怒りをたくさん感じられる人は
喜びもたくさん感じられます。


自分の怒りと上手く付き合って
より豊かな人生にしていきたいものです


最後までお読みいただき
ありがとうございました

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