自律神経の不調やうつ症状を脳の視点から考える。その2
6月に入りました。
梅雨という言葉を嫌でも意識する時期ですね。
今年は暑さも例年より暑いと予想されています。
この時期の体調不良は
夏場に向けての準備が遅れます。
しっかり体調整えて
過ごしていきましょう。
前回からの続きで
「自律神経の不調やうつ症状を脳の視点から考える」
について書いていきます。
今回はその2になります。
前回のまとめ
1.前頭葉(おでこ)はいちばん進化した皮質
それだけに疲労に弱い。
疲労すると、感情コントロール・予期・計画・実行する
能力が低下していく。そうしてうつの症状が出現する。
2.対策として
刺激から遠ざかる・深呼吸をして酸素を取り入れる。
このようなことをお伝えしてきました。
そして今回は、
「前頭葉の活性化」についてお話しします。
刺激のタイミングについて
脳と神経の活性化には
「酸素・栄養・刺激」が重要です。
逆にいうと、これらがなければ
機能はどんどん低下します。
前回
1.刺激からできるだけ遠ざかる。
2.深呼吸をおこなう。
とお伝えしたのは、
疲労しているからであって、
疲労から回復したタイミングでは、
刺激を与えることが重要となります。
刺激と休養(酸素と栄養の補給)の繰り返しで
脳と神経は活性化していくのです。
何が何処にあるか?
前頭葉(おでこ)は、単体では
何も刺激を感じられません。
なぜなら、前頭葉(おでこ)は
入力系の神経ではないからです。
前頭葉(おでこ)には
後頭葉(後頭部)・側頭葉(側頭部)・頭頂葉(頭のてっぺん)が
感じた刺激が伝達されます。
つまり、前頭葉(おでこ)を刺激するには
他の皮質を使うことが必要なのです。
これだけでは分かりにくいので
視覚を例にしてお伝えします。
目で捉えた視覚情報は
後頭葉(後頭部)と頭頂葉(頭のてっぺん)に伝達されます。
実は視覚は目で捉えるだけで、
・それが何であるか、
・それが何処にあるのか、
までは分かりません。
見たものが「何か」が分るのは、
視覚情報が側頭葉(側頭部)に伝達され、
記憶の中から見たものと
同じようなものを選択しているからです。
また、見たものが「何処」にあるのかは、
視覚情報が頭頂葉(頭のてっぺん)に伝達され、
見たものが空間内のどこに
存在するのかを認識しているからです。
これは、自分の体性感覚情報を中心として感じています。
例えば目の前にバナナがあるとします。
側頭葉(側頭部)が働いていて
頭頂葉(頭のてっぺん)が働かなければ
見たものがバナナであることは分かりますが
どこにあるのか分からず手でつかむことができません。
逆に、側頭葉(側頭部)が働かず
頭頂葉(頭のてっぺん)が働いていれば
見たものは何か分かりませんが
手でつかむことができます。
これら側頭葉(側頭部)と頭頂葉(頭のてっぺん)は
機能が正常であれば、
それぞれ前頭葉(おでこ)にその情報を伝達します。
つまり
見たものが何で何処にあるのかを
前頭葉(おでこ)は知ることになり
その情報をもとにどのように行動をするのかを
冷静に判断します。
例えば
目の前に怒った顔の人がいれば
逃げ出したいですがそれが自分の上司なら
逃げるわけにいかないなと思い
逃げるという行動を抑制する決断を
前頭葉(おでこ)は行います。
この例では
視覚情報をスタートにお話ししましたが
最終的には五感全てが前頭葉(おでこ)に伝達されます。
つまり
5感全てが前頭葉(おでこ)への刺激となります。
そのため、前頭葉(おでこ)の活性化には
様々な感覚を感じることが重要となるのです。
聞いたことのない音楽
行ったことない場所
味わったことのない食べ物など
なじみのないものほど
前頭葉(おでこ)を活性化させることになります。
「そんなことか」
と思う方もいるでしょうが
脳の機能を理解していると
更に効果的な方法が簡単にできるようになります。
詳しくは次回お伝えいたします。
まとめ
前頭葉(おでこ)を活性化させるには刺激も重要。
刺激とは感覚であり、
5感全てが前頭葉に伝達されるため、
適度であれば活性化につながる。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。