うつ伏せはなぜ自律神経を乱すのかについて
最近、患者さんにこのような質問をいただきました
「うつ伏せで寝るのは自律神経的にどうなんですか?」
調べてみるといろんな諸説がありますので
私なりに現場で感じたこと
子育てした視点(娘がいますので)から
医学的や精神的な背景など考慮して
仰向け(天井を見るように寝る)をしていると
何となく不快に感じ、ついうつ伏せになってしまう方。
今回はそんなあなたがテーマになります。
結論からお伝えしますと
「うつ伏せで眠る」など
うつ伏せを多用する方は
胸が圧迫されてしまい
呼吸が浅くなることで自律神経の乱れが起きます。
では、なぜうつ伏せになってしまうのでしょうか。
その理由は以下の二つです。
・背中の筋肉が緊張している
・不安感が強くある
うつ伏せになってしまう方は
このどちらか、あるいは両方に当てはまる方が多いです。
では、それぞれを簡単に解説していきます。
1.背中の筋肉が緊張している
人間は生まれる時に産道を通り抜けるため
背中の筋肉が、母親の子宮の収縮に反応して
緊張するようにできています。
この緊張がなければ産道を
通り抜けることができないため
この緊張は本来正常の反応です。
これを原始反射といいますが
これが大人になっても強く残っている方がいます。
そういう方が仰向けに寝ると
背中が刺激されて筋肉が緊張してしまい
不快になります。
そのため、うつ伏せになってしまうのです。
背中が緊張していると
更に呼吸が浅くなってしまい
必要な酸素が取り込めずに
自律神経が乱れやすくなります。
2.不安感が強くある
不安感を強く感じていると
自然とうつ伏せになります。
これは、お腹を守ろうとする働きです。
野生の動物で仰向けに寝る動物はいません。
寝ている間に襲われても
お腹を噛まれなければ
何とか逃げられるかもしれませんが
お腹を噛まれると逃げるのが難しくなります。
飼い猫や飼い犬が仰向けに寝ていることはありますが
それだけ安心感を覚えているのです。
うつ伏せの悪影響について
ここまでお読みいただいてお分かりのとおり
不安があると野生動物のように
うつ伏せになりたくなるのです。
時々ならばいいのですが
習慣化していると
寝ているときの呼吸が浅くなります。
呼吸で取り入れている酸素は
体のエネルギー源になります。
呼吸が浅くなるということは
取り入れる酸素の量が少なくなるということです。
つまり・・・
うつ伏せに寝ることが習慣化すると
眠っているときにエネルギーが補充できないばかりか
そのエネルギーを使って体の悪いところを
治すこともできなくなるのです。
うつ伏せに寝てしまう方への対策
まずは、背中の筋肉をほぐすために
体操をしたりマッサージを受けたりすることです。
しかし、これだけではなかなかうつ伏せ寝は治せません。
そこで、抱き枕などで
お腹に何か触れている状態を作るといいです。
お腹や胸に何かが触れていると
安心感を覚え、背中は緩みやすくなります。
抱き枕は
自分の胴体と同じくらいか
少し小さめぐらいがいいでしょう。
使ってない布団があれば
丸めて抱き枕にしてみて下さい。
これは
腰が痛い方にもおすすめです。
腰痛がひどい方がいましたら
セルフケアの一環で試してみてください
今回も最後までお読みいただき
ありがとうございました