ギックリ腰には冷湿布?温湿布?どっち?
本格的に寒くなってきました
いきなりの寒波による雪は
対策をすることができず
様々なところで被害が出ました。
冬で最も多い症状の一つに
「ギックリ腰」があります。
今回はぎっくり腰に関する
疑問の一つにお答えします。
ギックリ腰の時に貼るのは冷湿布?それとも温湿布?
という質問をいただくことがあります。
結論から言うと
「どちらも正しくありません」
と言うのが自分の持論です。
足首の捻挫や寝違いぎっくり腰など
突然起きる急性の痛みに対して
どうして湿布を貼ると
良くないと僕が考えているのかを解説してみます。
痛みの種類には
大きく分けて急性の痛みと
慢性の痛みがあります。
今回は捻挫やぎっくり腰などの
急性の痛みの時にどうして
湿布を貼ると良くないかを考えます。
急性の痛みが起きるケースは
・スポーツで怪我をする
・転倒して怪我をする
・かがんだ時にぎっくり腰になる
・交通事故で鞭打ちになる
・朝起きたら寝違いになる
などがあると思います。
どうしてこのようなケースの
時に湿布を貼らない方が良いと言うと
湿布を貼って痛みが軽減しているので
安静が必要な状態でも
動きたくなってしまうからです。
怪我をして動くと
なぜいけないかというと
損傷を受けた筋肉や靭帯などの
組織が無理をして動くことで
更に傷を負うことになります。
そうすると
損傷を受けた時よりも更に悪化をし
結果的に治るのに時間がかかるからです。
怪我をした時に痛いのは
痛めたところに体重をかけないようにしたり
筋肉や関節を無理に
動かさないように制御をすることで
それ以上身体を壊さないようにしている
防御システムです。
この「痛み」という
防御システムによって
怪我の損傷を最小限にしているのですが
湿布は万能薬と信じている人がよくやる行動で
湿布で痛みを軽減させると
良くなったと勘違いをして動きたくなる人が多く
それによって更に悪化するケースが
非常に多いと考えます。
怪我やギックリ腰などの
急性の時の「痛み」は
動かないことで身体を
治している治癒反応です。
「動かないだけで治るのですか?」
と思った方のために
こんな事例もあります。
ベトナム戦争の時に
アメリカは次のような実験をしました。
負傷した兵士を
二つのグループに分けて
どちらが治癒が早いのか実験をしました。
Aのグループは
負傷をした場所で
適切な処置をして鎮痛剤は
無しでその場から動かさない。
もちろん水と食べ物は与えます。
Bのグループは
処置はAグループと同じだが
鎮痛剤を打って痛みを止めて
病院に搬送しました。
この実験の結果は
Aグループの方が早く治癒したのです。
つまり
痛みを止めないで動かない方が
鎮痛剤を打って動くよりも
早く治癒するという結果でした。
このような事から
肉離れや打撲、捻挫など
外傷を受けた時の基本的な応急処置法である
RICE(ライス)といわれる
世界共通の処置法でも
「安静」が1番にあります。
Rest (安静)
Icing (冷却)
Compression (圧迫)
Elevation (挙上)
Icing (冷却)は
湿布ではなく氷によるものです。
日本人がやりがちな
「とりあえず湿布をして動く」
などはどこにもありません。
本来ならば病院で
このような基本的なことは
教えないといけないのです。
では、急性の痛みの時に
絶対に湿布をしてはいけないのかと言うと
そうではありません。
動かない睡眠中は
湿布を貼っても大丈夫だと思います。
では、貼るのだったら
冷湿布でしょうか?
温湿布でしょうか?
答えを言いますと
どちらでも構いませんが答えです
その理由は
冷湿布は冷やして
温湿布は温めると多くの人が信じているので
痛い時はどちらが良いのかと悩む人もおられますが
実は
冷湿布も温湿布も
消炎鎮痛の成分は
同じものが入っています。
違いは
冷湿布にはスーッと感じる
メンソール系の成分
温湿布にはカーッと感じる
唐辛子系の成分が入っている
この違いだけで
痛みを緩和させる作用には
ほどんど変わりがありません。
つまりは
スーッと感じる湿布を貼りたいのか
カーッと感じる湿布を
貼りたいのかの違いだけです。
なので湿布を貼りたい人は
自分の好みで貼ると良いと思います。
ちなみに自分は
足首を捻挫しても指を骨折しても
鎮痛剤も飲まないし
湿布は貼ったことはありません。
痛いのは身体が悪いところを
教えてくれているサインだと思っているからです。
僕は身体の専門家ですので
痛みのサインが出ている時は
何をしたら良いのか?
何をしたらダメなのかを
研究をして知っています。
しかし、一般の方は違うと思いますので
不幸にもスポーツで怪我をしたり
転倒をして打撲や捻挫をしたり
その他にもギックリ腰や寝違いを
起こしてしまった時は
「とりあえず、湿布を貼る」
のではなくて
「動かないこと」
その方が
すぐに湿布を貼って
慌てて病院へ行くよりは
治りが早いという事を
知ってもらえると嬉しいです。
これが私たちの身体が持つ治すパワーです。
不運にも突然やってくる
怪我やギックリ腰、寝違いの時は
「まずは動かない」
このことを基本の心がけにして
少し動けるようになるや
精神的に落ち着いてから
信頼できる病院や
治療家に見てもらってください。
12月になると
何かと忙しくなります。
疲労が溜まることで
身体を動かすシステムに異常が起きると
日常の何気ない動作でも
ギックリ腰や関節が痛くなることがありますが
そんな時は慌てて湿布を貼るのではなく
痛みを感じたら数時間はじっとしていること!
これを忘れないでください。
あなたのお体にアクシデントがありませんように
最後までお読みいただき
ありがとうございました。